足立恒雄「フェルマーの大定理が解けた!」その3

画像
要は、何となく背理法で証明されたらしいということが分かったが、詳細は理解不可能である。著者は「数学者になれることと幸せになれることとは独立な概念であるから、別に感動しなければならないと主張しているわけではない。」と慰めてくれている。

その後に出版された二冊を読んで、証明の経緯が分かった。これら二冊は、証明そのものよりも、この問題に関わった主要な人物(フェルマーその人を含め360年分)に焦点を当てた構成になっている(勿論、数学的内容も充実している)。

数学という世俗を離れた学問にもドロドロした一面があることはともかく、一つの問題解決に多くの数学者の仕事が面々と積み重ねられ、一人の天才の出現を待っているという構図がみてとれるのである。

特に二人の日本人が大きな役割を果たしていたことも初めて知った。こういう話を聞くとやはり誇らしい気分になるものである。

さて、肝心の証明はイギリスのワイルズが、誰かに先を越されるのではとの不安の中、8年を掛け証明するも公表後に指摘された間違いを修正するに至る過程は感動を覚える。結局、1995年2月13日に「数学年報」の委員会が正しいと結論を下して360年の戦いに終止符が打たれたのである。

数学というと何となく敷居が高そうだが、お薦めの三冊である。読了の後は、「どうして一位でなければならないのか?二位では駄目なのか?」と公衆の面前で聞く愚かさ、目先の成果にしか価値を見出だせずに経済的効率を研究に持ち込もうとする浅ましさが容易に理解できるであろう。

彼らには学問の冒涜により「歴史の審判」が待っているというが、その日の到来を心から待ち望むのである。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント