北村美遵「地球はほんとに危ないか?真説・環境問題入門」

1992年発行の一般向けの環境本だが、環境問題を扱った本であるにもかかわらず科学的なデータに基づく真っ当な議論がなされている極めて希な一冊である。
裏を返せば、環境問題やエコロジー議論に関しては、いかに非科学的な情緒的で傲慢な駄本しかないかということだ。正直なところ、目からウロコが落ちるとはこういうことなのかと心底思った、感動した!
現在は温暖化を煽るエセエコロジストがのさばっているが、こういう連中に騙されないように、彼らの主張から検証可能な科学的事実の部分だけを残し、情緒の部分を除いてみると、ペテンとデマ以外には何も残らないことが判明する。そのやり方はこの本が教えてくれた。
しかし、著者は決して環境問題が重要でないとか無意味だと主張しているわけではない。むしろ、非常に真面目に環境問題の重要性を認識し大変に勉強をしてきた人物であると思う。だからこそ、反権力運動の旗印にされたり、エセエコロジストの飯の種に成り下がった「エコロジー」に対する怒りと、それに踊らされている国民や住民への悲しみが行間からヒシヒシと伝わってくる。
著者に言わせるなら、人類の文明自体が、欠陥品である「脳」が産み出した余計なものであり、石油という優秀なエネルギー物質に遭遇した人類はその利用に狂喜しているうちに文明を終焉させる事態を招いてしまったらしい。
そうなると、文明の終焉は不可避ということになるのだが、それを少しでも先延ばしするための正しい努力こそが必要なのであって、非科学的な情緒反応や愚劣な運動ではないという主張なのだ。
著者が例示する愚劣な運動として、「多摩川にサケを放すな(合成洗剤追放)」、「無農薬なら安心か(有機野菜)」、「割り箸を熱帯森林破壊の犯人にしたのは誰か(リサイクル)」が綿密な論証を添えて検証がなされている。
科学の仮面を被ったウソ(通販レベル)や情緒的に子供や高齢者、主婦を尖兵に使う運動は偽物だと先ず疑うことが、人類の未来を救うことだと確信させてくれた一冊である。
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この記事へのコメント

通行人
2009年10月22日 19:30
同著は本当に「目から鱗が落ちる」という表現が適切ですよね。同じ感想の方がいて驚いてしまいました。