今日見かけた変な人―その4

 野暮用でちょっぴり遠くまで出掛けたが、その帰り道のこと。目的地まで距離があったので飛行機に乗ったのだか、隣に座った兄ちゃんが変な人であった。

 ちょっとした訳もあり少し広い座席に座れたのたが、この兄ちゃん、少しでもこちらの肘が肘掛けに乗るとブツブツ独り言が始まり、遂には罵声を浴びせてくる。

「バカ野郎!」

「グズが!」

「何考えていやがる!」

いえ、最後のセリフはこちらが言いたいんですが…罵声は回りにも聞こえて異様な雰囲気に…

決してグラサンして入れ墨背負っているような危ない人ではない。大柄で小太りの二十代なのだが、目が、そう目が行っちゃっている人なのだ。

 どんな目かと聞かれても説明が難しい。敢えて例えるなら、オフ会で気になる模型を手に取って刺すように睨んでいる御老公の目を常時している、そういう目なのである。

広い席なので肘掛けは縦にも横にも幅があり隣同士で取り合いにはならないのであるが、こういう人に理屈は通じない。関わらないに限る。

 三十六計逃げるにしかず、思い切り離れて落語を聞いていたが、二度と来るなとばかり時々肘て突いてくる。腹も立つが忍の一字で耐え抜いた。

 終いには、サービスの飲み物を受けとる、座席ポケットの雑誌を取るだけでも罵声がくるようになった。肘掛けどころか、自分の視線に入る事すら許せん!!ということらしい。

 ヤレヤレだぜ…偶々広い席だからそれ以上の事態にならなかったが、普通の席だったらどうなっていたことか…、と、ここで気付いた。こんな若い兄ちゃんが、なぜビジネスに座っている、いや。座ることが出来るのか?

 思うにこの兄ちゃん、狭い普通の席に座ることが出来ないのではないか?下手をすると過去に一騒動も二騒動も起こしている可能性もある。

 年齢を考えると親が出しているんだろう。歳は兎も角、社会人として変な人が日本社会で高給をもらうのは難しかろう。まあ、面堂君のように我侭一杯に育てられた資産家の御子息様かもしれない。

 何はともあれ、危ない、危ない。空港に到着後、全速力で逃げたのは言うまでもない。

 二度とお会いしたくないものである。




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